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Jaguar S type "R" Supercharged 4.2-V8
新旧の見事な融合…贅沢なジレンマを一気に断ち切ったのが、革命的な“Jaguar S type”だ。これまでのJaguarというと、どこか人を寄せ付けない気高さに満ちていたが、それがクルマ好きを魅せる所以でもあり、敬遠させる要因でもあった。この“Jaguar S type”は脈々とジャガー精神を受け継ぎながらも、現代的なスポーティー性能や安全性、ホスピタリティを満喫できる。しかも、フラッグシップ“R”モデルなのだから、食指が伸びないわけがない。
果てしなく続く加速感…聞き慣れたエグゾーストノートは、ジャガーでも最上級の証“Supercharged”を実感できる瞬間だ。エレガントな外観とは裏腹に、どこまでも続く加速が印象的である。しかも車重が軽い“S type”だけに、数段高い加速が体感できるはずだ。また、従来の「猫脚」は、ジャガー最長のホイールベースに専用の足回りを身に纏い、俊敏さという形で昇華している。従来の佇まいやフィーリングを残しつつも、暴力性など微塵もなく、実にスマートに加速するという感想だ。それでいて、絶対的な速度域は高いのだから、驚きだ。
優しい雰囲気…インテリアに目を向ければ、ジャガーに息づく伝統を実感できる。ウッドの使い方、インパネの高さ、シフトゲージなど、どれも乗る人を安心させる雰囲気だ。誇示や威圧のない高性能ぶりは、自然と同乗者にも歩行者にも優しい、ゆとりあるドライビングに繋がるであろう。極めて好印象のプレミアムサルーンであることを確信した。