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Porsche Carrera 4 Cabriolet

SPECIFICATION

Porsche Carrera 4 Cabriolet

迫力と優雅さ……「ストイック世代に誕生した、優雅なカブリオレ」という時代背景を考えると、不思議な感覚に駆られる。“911”スタイルを一段と、際立たせているのが、襟巻きのように捲かれた黒いソフトトップだ。リアバンパーから盛り上がるボリューム感が強調されて、美しい。昔、心躍らせ開いたスペシャル・カーのカタログ。その最終頁に、鎮座していたであろうシーンが頭に浮かぶ。こうしたクルマの、どこか「普通とは違う」、特別な雰囲気に憧れたものだ。
開放感と安定感……“フォーカブ”に、韋駄天な姿は不似合いだろう。季節と天候を上手く味わい、まるで景観に溶け込むような走りが様になる。だからこそ、走行面での不安感は無くしておきたいものだ。その点、フルタイム４ＷＤシステムが、“Carrera”のＲＲレイアウトが孕む操縦安定性を克服してくれているから、心配は無用である。しかも、最近の電子仕掛けの４駆とは違って、ドライバーの力量を発揮できる「幅」も持ち合わせていて、嬉しい限りだ。
非日常と演出……やはり、この“フォーカブ”の好さは、オープンにしてこそ、完結するものだ。欧州では昔からオープン需要が高く、冷え込む冬季に颯爽と走り抜ける光景を見掛けるものだ。恥ずかしがらずに幌を開け放ち、郊外のワインディングに繰り出し、後方から響く、乾いたエンジンに酔い痴れてみたい。こうした非日常を演じられる、魅力あるクルマが、この“フォーカブ”だ。