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LAND ROVER DEFENDER 50th Anniversary
LAND ROVER DEFENDER 50th Anniversary
SPECIFICATION
"無限の底力、可能性、前進"
LAND ROVER DEFENDER 50th Anniversary
肩肘張っている自分・・・・・・このクルマに、変な気構えなど無用である。最近、随分と柔になった自分を覆い隠すように、虚勢を張る自分が、我に帰るひと時である。「能力主義」や「年俸制」と日本男児には耳障りな言葉が届いてくるが、臆することはない。この「ディフェンダー」のように飾り立てることなく、自分らしく生きてみよう。それが創造の第一歩なのである。
地味だけれど、底力の持ち主??まるで戦後日本を支えたようなフレーズが、このクルマ最大の魅力である。鉄骨と鉄板の無骨さが象徴する頑強さ。内外装に張り巡らされたロールゲージの安心感。電子機器に頼らない素の実力性。どれも道なき道を走破する男に、必要な資質である。そしてスクエアなボディに対し、一転、ラウンドなルーフ、前照灯、窓枠が、何とも愛嬌のある雰囲気を醸し出している。尤も、この「ディフェンダー」は限定モデル“50th Anniversary ”だけに、V8エンジンとアルミ製ボディなど、スペシャルな魅力も盛り込まれている。
その走りは、軽やかである??意外にも、軽快な走りをみせるのが、この「ディフェンダー」である。軍用車を想わせる足回りとワイドトレッド&ショートホイールベースが、奏功している。限定車だけのゆとりあるパワーとカシっとした足回りは、ダルなエアサスより遥かにリアルなドライビングプレジャーをもたらしてくれるのである。
尚、当車両は1998年式(走行37000km D車)。レトロで屈強なクロカンの王道を、敢えて“90”で、しかも「限定車」を選ぶ貴方は、本当のクルマ通である。勿論、大昭自動車がイチオシする一台である。
第二次世界大戦終結後の 1947 年から英国で生産が開始されたオリジナルなランドローバーの直系と言えるモデル。ディフェンダーと名前が変わったのは 1980 年代になってからだ。質実剛健な本格的オフ・ロード 4WD として、世界中から高い評価を得た。
 オーソドックスではあるが、すでに旧態化は否めないセパレート・フレームに前後ともコイルスプリングで吊ったリジッド・アクスルを組み合わせる。ランドローバー伝統のオール・アルミニュウム製ボディは、一切の無駄を排したきわめてプリミティブな構成となっている。室内にも内張りや防音のためのインシュレーターなどもほとんど無く、居住性などは無視された格好である。しかし、メカニズムの信頼性とオフ・ロードでの高性能振り、また、様々なアクセサリーを装備しての多用途性はディフェンダーならではのものとなっている。
 前後サスペンションにリーフ・スプリングを使った旧型車にも乗ったことがあるが、それから見れば、コイル・スプリングとなった現行モデルの乗り心地と操縦性の高さは比較にならないほど向上している。パワー・ステアリングやブレーキ・サーボなどドライバー補助装置も多く搭載されてはいるが、 NVH (ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)の遮断はほとんど無いに等しく、如何にもマシンを操っているのだと言う満足感は、同じメーカーのレンジローバーなどよりも濃いかもしれない。これも、スポーツ・カーと同様、現在の日本の道路事情では無用の長物となる恐れはあるが、エンスージァスティックな意味からはかなり興味を引かれる存在である。

クロカン 4WD と言えども、スタイリッシュなボディのクルマばかりの昨今、そんな中で無骨なまでに昔の面影を残すディフェンダーは 1948 年に第1号車を発表したランドローバーの歴史そのもと言っても過言ではない名車。都会の中にあって、これほどサファリやジェングルを連想させるクルマはそうざらには無い。ただし、見た目は昔ながらの 4WD でも中身はすっかり現代のクルマでもある。直列 5 気筒 SOHC ・ 2.5 L エンジンに副変速機付きの 5MT のフルタイム 4WD で、ブレーキは前後ともディスクを採用。室内にはカップホルダーやエアコン、 MD オーディオなども標準装備している。

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