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Porsche 993 targa
SPECIFICATION
"Latin taste Porsche"
Porsche 993 targa
完全な調和とはこれを云うのであろう??気品とスポーツ感が見事に融合したクルマを久々に見た。ステアリングを長いスロープへと誘い、高級老舗ホテルにパークする場面を想像して欲しい。数あるスポーツカーはその佇まいや息遣いから、候補にすら挙がらないはずであるが、この“targa”は見事、その大役を果たすアクター(名役者)として登場するのである。性能と安心の証である「911スタイリング」と大切な女性をエスコートできる気品に満ち溢れた様は、エントランスロビーの華と化すであろう。
自然との一体感??日頃の喧騒から解き放たれるに有り余るほどの開放感を、この“targa”は我々に与えてくれる。これは、自由という何にも替え難い人々の欲求である。しかして“targa”は、傷付いた小鳥が羽を休める母の掌のように、また羽ばたきを促す父親の甲のように、時に優しさや休息を、時に自然や野性味をもたらすのである。
気品と性能??そこにあるのは、紛れもない後方からの“911”の芯から轟く、乾いたエグゾースト・ノートである。熟成に熟成が重ねられた、最終空冷型水平対向エンジン。「バチン」というドア音と共に訪れる静寂。しかも本来のRRフットワークのフィーリングを全く損なわずに、クルマとの一体感をドライバーに味あわせながらも、時に「イタ車か」と見まがう程の、洒落たテイストを醸し出す技の数々には、脱帽の至りである。これを味合わずして、大人のクルマ乗りを自認することは憚れるほど、ハイセンスとドライビングプレジャーを併せ持つ、この一台をDaishoが心よりお勧めしたい。乗って楽しく、眺めて悦しい“targa”は996世代になって人々の注目を集めただけに、品薄の状態が続いていることは歴史の皮肉である。
尚、当車両は1996年式(走行33000km D車)。大切にされた雰囲気が伝わってくる希少ワンオーナーの“targa”である。しかも、気品が一段と漂うブルーターコイズメタリックとグレー革インテリアのマッチングは、筆舌しきれないほどの魅力である。
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