トップ > インプレッション > ALPINA B10 3.2
24_alpina_b10_32.jpg
ALPINA B10 3.2
SPECIFICATION
"ヨーロピアン・マインド"
ALPINA B10 3.2
意外である・・・・・・5シリーズ・ボディをベースにしたアルピナB10には、車格や重量から云っても、「絶対に、トルクフルなV8がお似合い」と決め付けていた。それがこの“B10 3.2”といったら、直6エンジンを心臓部に収めているというのだから、ピンとこないのも当然である。「そもそも、直6ってレスポンスを活かして、回して楽しむエンジンでしょ。何もB10にねぇ」と、勝手に鈍重でヤキモキするドライビングを想像していた。
しかし、その半信半疑の先入観は、見事に裏切られることになる。その体重をものともせず、アルピナ・ストレート6は実に面白いほど回るのである。この「やや重」のボディを、手動変速(5速)で引っ張って運転するという感覚をお分かり頂けるであろうか。同じ直6でも、ライトウェイトの“M3”がビュンビュン回って、瞬間的にエクスタシーに達してしまい、やや虚無感が残るのに対し、この“B10 3.2”の場合、ググーンと引っ張り、仰け反るように頂点に達していく分、コントロールする面白みも十分にあると云えよう。後者の方が当然、そのレスポンスの良さを乗り手が実感できるはずである。
自動車先進国のドイツでは、重量級クーペ(BMW 840や850、Mercedes-Benz SLなど)に乗ることの出来る、恵まれたオーナーの殆どが、マニュアル・ミッションを選択していることからも、こうした“B10 3.2”のような乗り味が、クルマ本来の楽しみ方なのだと思う。「ドイツ人なら間違いなく、V8でなく“3.2”のB10を選ぶだろうな」とハンドルを握り、考えた。ミュンスターの音色に耳を澄まし、ラートハウスを通り過ぎていく・・・・・・。
Daishoが自信を持ってお勧めしたい。当車両は1998年式(走行23000km ディーラー車)。貴方には、この“B10 3.2”が持つジャーマン・テイストを存分に味わって頂きたい。
- Copyright (C)2003-2004 DAISHO AllRight Reserved -