蘇る憧憬と共に……威風堂々とした佇まいに身を委ね、一望千里を駆け抜ける。どんな状況にもたじろぐことのない余裕と風格は、開拓の血筋を体現している。「チェロキー」は米国の気概そのもの、象徴的存在である。
豪快な加速力……米国流SUVの既成概念を一蹴する、ハイパフォーマンスに圧倒される。西部劇に登場する幌馬車のような悠然とした走りから一転、2トン超ボディを猛牛のような表現を見せる。その心臓部にはSRT(特殊車両開発部門)が魂を込めた90度V8にある。5.7Lをボア3.5mm・圧縮比9.6から10.3に拡大、新型ヘッドや専用設計の吸排気マニで武装し、驚異の426ps(100ps増:5.7HEMI比)が0-100km/hは何と5秒をマーク。当然ながら足回り力も強化し、怪力を確実に路面に伝える。特筆すべきはブレンボ社ブレーキで、38m(0-100km/h:5秒)の制動力が好印象であった。頼りになる米国の父親を想像させる、まさに万能の一台が"SRT8"である。 |