エクスクルーシブGT3…レース制覇がGT3の存在理由。超人的な性能とオーラを放つ「GT3はPorsche中のPorsche」に異論は無かろう。最近のマーケット戦略にあって、Porscheの代名詞“911 Carrera”ですら、随分と大人で上品な雰囲気になった。最早、Porscheの甘美な魅力に酔うためには、GT3に限る時代なのかもしれない。
数値と快感値のギャップ…これまでのPorscheは謙虚な数値を公表していたが、ステアリングを握ると、「性能数値と快感値は別物だ」と溜息を衝いたものだ。Porscheは「乗れば、違いが分かる」至高のクルマだ。その極致がGT3であり、この997モデルGT3はパンドラの箱を開くような「裏切り」にも迫る興奮と快感がある。あの排気量で、あのパフォーマンスを叩き出すのだから。寧ろ、敬意・敬服に近い。
シートバックからの雄叫び…代々のRSやGT3を受け継ぐ、後方からの排気音が堪らない。それはパイプ工作された音ではなく、生の雄叫びだ。ついついドライバーをその気にさせる。4,500回転付近が禁断ゾーンの入り口だ。理性と欲望の鬩ぎ合い、日常を忘れる最高の時間だ。