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銘車史の輝かしい一頁・・・・・・「最高速度342キロ」。それが「20年前の市販車」のレコードだと聞いて、神業とも云えるRUFの技術には敬服であった。大したコンピュータが無かった時代、職人の腕と勘に鍛え上げられたCTRには、「完全か無か」のPorsche ”930 turbo”をも瞬時にも黙らせる、まさに猛禽類のような別格のポテンシャルに漲っている。
奇怪なオーラ・・・・・・空気抵抗を極限まで減らす執念から、ターボボディではなく敢えてノーマルボディをワイド化した逸話はあまりにも有名だ。所謂「雨樋」までも剥ぎ取り、溶接増しで強度をむしろアップする徹底ぶりに、その筋肉質で怪しいまでの存在感の理由を納得させられた。そのソリッドな剛性感とハイパワーRR特有の乗り味には、未経験で甘美な醍醐味と共に、自然界の猛威をしばしば突き付けられる。
強烈な加速・・・・・・心地よい排気音をBGMに、右足の動き以上に淀みなく続く加速は圧巻の一言である。並のターボ勢がターボラグを抜け出し、鼻先を競い合い、弱音をあげる高回転域からが、むしろ“Yellow Bird”が本領を発揮し、飛び立つ瞬間なのだ。単なるハイスピードだけではなく、風を切り裂いていくあの野太い加速感はまさに、スペシャルカーの歴史に金字塔を築いたと自信を持って言いたい。 |
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