新生“GT-R”・・・日本男児の威信をかけて、生まれたクルマだ。往年のハコスカやケンメリ、R32と、“GT-R”は何歳になっても、オトコを奮い立たせる記号である。復活のラブコールが高鳴るなか、沈黙を破った“GT-R”は、期待を遥かに上回る再会を提供してくれた。
剛性感向上・・・新生“GT-R”の大きな魅力だ。「欧州車・イコール・最終目標」ではないが、アウトバーンで培われたボディ剛性にはやはり、一日の長がある。ところが、“GT-R”はそれを凌駕する印象を受けた。石畳やコンクリート路面向けに設計された欧州車は時として、場違いな硬過ぎの苦痛を伴ったが、この“GT-R”は実に、たおやかな日本刀の如き雰囲気を有するクルマなのである。
クルマとの一体感・・・歴代の“GT-R”の魅力とは、他車を寄せ付けぬ「速さ」は当然のこと、何と言っても「アンバランスさ」がどこか漂う所であった。車歴を重ね技量ある「然るべき」ドライバーを、“GT-R”の方が選んだからこそ、男の仕事場的なカッコ良さが憧れの的になったものだ。しかし新生“GT-R”は「走る・曲がる・止まる」というクルマのエッセンスを高次元で実現させてくれ、無になって運転に心酔することが出来る。最近の欧州車に飽き飽きしている御仁に、またワンピース姿が似合う、全てを知っているオトナの女性に、大いにオススメしたい“Made in Japan”の真性スポーツカーが新生“GT-R”なのだ。