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オトコを虜にする普遍式……豪放磊落なトルクとアピアランスから成るアメリカン・スポーツの世界は一度味わったら、脳裏から離れることはない。“Z06”は、「我が道は自分の力で切り開いていく」という西部開拓時代からの米国の魂を見事、具現化している。まさに“Highway Star”の王道を行くクルマである。
こだわりが漲る……この“Z06”は、少々別格である。従前のアメ車像を根底から覆す、造りの良さが際立つクルマだからだ。欧州のスポーツカーとは一線を画す興奮度と、それを陵駕する本格的な凝り様は、“Z06”だからこそ為せる技である。通常モデルのV8・6Lから、何と1,000CCアップさせたV8・7Lエンジンは、大排気V8エンジン特有の、厚みある怒涛の加速を堪能することが出来る。更に驚きなのが、511ps・64.9kgmを受け止めるボディである。専用開発の総アルミフレームは、1,440kgという脅威の軽量化を実現し、荒くれ者のような表情を垣間見せるのも、一興である。
意外性を楽しむ・・・・・剛性感にも十分ほどの気を配っており、高速オンリーではなく、軽量・大排気を活かしたコーナリングを攻めるのも面白い。この“Z06”のドライブフィールは、TVRのような血管が切れるような興奮度とは異なり、どちらかというとドーパミンが分泌されるような悦楽と言った方が相応しいかもしれない。それこそが、この“Z06”の虜になる所以だからだ。
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