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Maserati GranSport Spyder Cambiocorsa

マセラティ・イコール・感性…これほど、野暮な薀蓄との対極のクルマも珍しい。澄み切った冬空のもと、上質なジャケットを、さり気なく自然に羽織るような、粋な乗りこなしが似合うのは、全てを知り尽くしたオトコの香しさを放っているからだ。ジゥジァーロの流麗なイタルデザイン、控えつつも存在感溢れる“GranSport”専用パーツ、煌めくブルーと深みある紺幌という洒落たルックスと、見る人を虜にさせる。
滲み出る本気さ…運動性能の向上を考え、ホイルベースをショート化した拘りに、好感が持てる。その哲学から、性能に目を瞑ってオープン化した数多くの「スポーツカー」に辟易している諸氏も、拍手喝采を送るはずだ。更に、スポーティなエグゾーストノートと軽快かつ粘り強いスカイフックサスペンションを、「カンビオ」で操る気持ち良さも、上級モデルの“Cambiocorsa”だけの愉しみである。多くを語らずとも、こうして自由で居られるのは、周囲のせせこましさを一蹴する圧倒的な実力を秘めているせいなのである。洒落たアピアランスと秘めたロードパフォーマンスを、オープンエアで繰り出す、実に豊かな贅沢を、心ゆくまで堪能できるのが、この“GranSport Spyder Cambiocorsa”なのだ。